遺産相続において、「私はあれだけ故人に尽くしてきたのに、これだけしかもらえないのか!!」、「私の助けがなかったら、故人はこんなに財産を築けなかったはずだ!!」なんてこともおこります。
でも、あなたのその努力に報いる規定が民法の中にはあります。それが、寄与分です。
相続財産の維持・増加に貢献した分は寄与分としてもらえる
民法では、共同相続人の中で、
(1)特別の寄与行為があること
(2)被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法によるものであること
(3)その結果被相続人の財産の維持又は増加したこと
以上に該当する者があるとき、相続財産から寄与分を除いたものを相続財産として相続分を算定する、そしてその算定された相続分に寄与分を加えた額をその者の相続分とすることを規定しています。
すなわち、寄与分の分だけ多く相続できるのです。
内助の功があったが寄与分は認められないとされた事例
(1)事件の概要
被相続人Aは22歳でXと結婚し、下級船員から身を起こし、船具商を営み始め、事業に成功しました。Aの遺産相続が起こり、Xは寄与分を主張しました。
(2)裁判所の判断
第1審では、Xの寄与分を認めましたが、その第2審で裁判所は認めませんでした。
この判決は、「寄与配偶者の遺産中における潜在的持分は、法定相続分が1/2という高い割合で考慮しています。だから、このケースも内助の功は過大であったと考えられるけれど、夫婦の協力義務に基づく一般的な寄与の程度は超えないですよ。」と配偶者の寄与分を考慮することはできないとした判例です。
代襲相続で親の貢献を寄与分として認めた事例
(1)事件の概要
被相続人Aの長男に生まれたBは中学卒業後から農業後継者として農業に従事し、Cと結婚して、C共々働いた。Bは若くして亡くなってしまったのですが、妻CはそれからもAが亡くなるまで6年間、子Y1、Y2を育てながら農業に従事しました。Aの相続人はAの子Y2、Y3と、Y1の3名です。Y1は被代襲相続人Bとその妻Cの寄与分を主張しました。
(2)裁判所の判断
他方で被代襲者やその妻の寄与を寄与分として認めた判例もあります。
これによると、「そもそも寄与分制度は、被相続人の財産の維持又は増加につき特別に寄与をした相続人に、遺産相続に際して法定相続分を超えて財産額を取得させることにより、衡平を図るものだからです。
このように、寄付分がもらえる場合は様々ですので、お悩みの際はまずは弁護士にご相談下さい。平間法律事務所では無料で電話相談を承っております。