相続税の申告は10ヶ月
この申告期限をなんだかみんな知っている。しかし、正確な知識ではないとか、正しい知識はあっても柔軟な対応をしていいのを知らないものです。
⑴ 申告が必要な事案か
ⅰ)相続税については、以下の金額の基礎控除があります。
3000万円+600万円×法定相続人の数
ⅱ)また、相続財産の額は、実際の価格ではありません。不動産でいえば、そもそも実勢価格ではなく2割減した路線価です。また、居住用なら20% 賃貸不動産なら50%で評価するのです。
⑵ 進行が必要な場合
以上で相続税額を計算して非課税の範囲なら申告をしないでいいのです。ただ次の場合には、申告をする必要があります。
ⅰ)小規模宅地等の各種特例を使うとき
ⅱ)相続時精算課税制度を利用したとき
⑶ 死因贈与は相続税扱い
なお、ついでに言えば
ⅰ)死因贈与契約は遺贈と同様に扱われますので、相続税の計算になります。
ⅱ)これに対して、生前贈与では、贈与税が賦課されるので、多額の税金の納付が必要になってしまいます。ですから、親が子に贈与するならくれぐれも死因贈与とすることです。
取り敢えず申告
ところで、申告が期限に間に合わなそうな場合どうしたらいいでしょう。慌てることはありません。
⑴ 遺産分割協議が進まないという場合としては
ⅰ)相続人や相続財産の範囲に争いがあったり
ⅱ)そうでなくても、相続人の誰か一人でも合意しないと協議書が出来ません。
⑵ こんな場合には、取り敢えず申告をしてしまうことです。
例えば、法定相続分で取得したことにして出したり、相続分なしで申告したりするのです。そして、正式に遺産分割が決まったら、修正申告すればいいのです。
⑶ なお、相続人の足並が揃わないときは、別々に進行すれば良いのです。
税理士資格= 弁護士が税務代理をするメリット
平間事務所では、相続税申告も同時に承っています。
⑴ 弁護士には税理士資格があります。税務署に税理士としての職務をする旨を通知すれば、税務の仕事を行うことが出来るのです。これを「通知税理士」 といいますが、平間も勿論、通知税理士です。
⑵ 弁護士が税務代理をするメリットの一番は、遺産分割手続と税務申告手続の必要な資料は重なっていて、同一だと言っていいくらいです。例えば、連続戸籍の取寄せや預貯金の残高調査等の遺産調査などを思い浮かべてください。受任した弁護士が両方承ると、二重手間にならないのです。つまり、手続が省力化でき、それによってスムーズに運べるのです。そして、手続が簡略化出来れば、税務申告に対すると報酬も安く済むというものです。
⑶ ただ、全ての弁護士が税務も扱っているとは限りません。弁護士にもそれぞれ専門領域があって、相続をあまりやらない先生も沢山います。また、弁護士業務だけで税務申告をやるのは面倒だと思っている先生もいます。ですから、最初に相談する際に聞いておくといいと思います。