敷金は初期費用の中でも大きな金額を占める
敷金は家を借りる時に、貸主や不動産仲介業者などから求められると思います。敷金は、契約期間中に家賃の未払いや家の破損などが無い限り、契約が終われば基本的に全額返還されるものです。敷金は礼金と違って、契約が終われば返ってくるということは覚えておきましょう。
ただ、全額返還されるとしても数年、場合によっては数十年後にしか返ってこないのに何十万円も預けたくないであるとか、初期費用の金額が大きくなりすぎて手元にお金がないということもあるかと思います。チラシや不動産屋に貼ってある賃貸のビラを見て、この家を借りたいけど敷金が高すぎるなと思うことはありませんか。
敷金の相場を知って貸主と直接または不動産仲介業者を通じて交渉することで、敷金を相場通りに適正な金額にすることができるかもしれません。そこでまずは敷金の相場がどうなっているか見ていきましょう。
敷金の相場は緩やかなもの 地域ごとに相場が異なる
実は、「敷金の全国的な相場は家賃の何ヶ月分だ」ということができません。国土交通省による敷金の金額の調査結果を見ても、敷金の金額は全国で異なっているのが現状です。また、金額の違いだけでなく、沖縄や埼玉などのように、そもそも敷金が要求される割合が低い地域も存在しています。
ただ、大きなエリアごとにみると、ある程度の相場のようなものは存在しています。北海道から関東は賃料の1~2ヶ月分、関西から九州にかけては3~4ヶ月分となっています。住もうとしている地域と比べて、敷金が相場より高くないか確認してみましょう。交渉次第で適正な敷金になるかもしれません。
<敷引特約>返ってこない敷金には注意
敷金は契約が終われば基本的に全額返還されるといいましたが、敷金が一部返還されない敷引特約というものがあります。敷引特約が結ばれていると、敷金のうち一部を契約終了時に差し引かれてしまいます。敷引特約で差し引かれる敷金は、実質的に礼金と同じように返還されないお金となってしまいます。地域の慣習により敷引特約を結ぶところもあるので、敷金の相場と合わせて確認しておきましょう。
ただ、敷引特約で差し引かれるお金が高すぎるという事情があれば、敷引特約が無効となることもありえます。一旦敷金を支払って、敷引特約を結んでしまったという場合でも、全額敷金が返ってくる可能性もあります。
敷金だけでなく、家を借りる際に貸主と揉めると、家を追い出されるという緊張感がでてきてしまいます。平穏に日常生活を送れるよう、敷金含め、借家関連でお困りの場合は、一度弁護士に相談することをおすすめします。