遺産分割協議で合意すればそれに従って遺産分割
遺産の分割は、被相続人(亡くなった方)の残した遺言書がある場合は、それにしたがって行われることになります。しかし、遺言書が無効になってしまった場合や、そもそも遺言書が無かった場合は、法定相続分(民法900条)によって行われます。
とはいえ、相続人の中には、裕福で遺産が必要のない方もいれば、遺産が必要な方もいるでしょう。そのような場合に、相続人らの意向を無視して法定相続分によって遺産を分割してしまうというのはおかしなことです。
そのようなことにならないために、法は、遺産の分割は、いつでも協議によって行うことができると定めています(民法907条)。遺産の分割の協議、つまり、遺産分割協議は、相続人全員でこれを行い、全員が合意することが必要です。遺言書のある場合でも、それと異なる分割協議書がある場合はそれが優先します。
したがって、遺産分割では全員の合意、遺言、法定相続の順で効力があると言えます。
合意したら遺産分割協議書を作成して争いを防ぐ
上述のように、遺産分割協議を行って、全員が合意したとしても、その合意を書面に残しておかないと、後から言った言わないの水掛け論にもなりかねません。
そのようなことを防ぐためにも、遺産分割協議書を作成しておくことが大切です。遺産分割協議書は特に決まった書式・形式といったものはありません。手書きでもパソコンでもかまいませんし、縦書き・横書きといった決まりもありません。
ただ、書式が決まっていないとはいえ、遺産分割協議には相続人全員の参加・同意が必要ですから、必ず相続人全員の自署・押印が必要です。なお、押印は実印を使用し、印鑑証明を添付したほうが確実です。
確実に争いを防ぐために遺産分割協議書の作成は弁護士へ
また、遺産分割協議書は不動産の登記の名義変更や、相続税の申告書などに添付して使うこともありますので、相続財産の内容については正確な記述が求められます。
遺産分割協議書を自身で作成しても全く問題はありませんが、万全を期すならば法律の専門家に依頼したほうがよいでしょう。
平間法律事務所では遺産分割協議書の作成も承っております。お困りの際はお気軽にご相談下さい。