不動産を相続すると相続税がかかる場合があります。その上に、相続した不動産を売却する際には、今度は所得税がかかる場合があります。このように、不動産を相続すると、二重の税金の負担がかかる場合があるのです。
このような二重の税金の負担を軽減するために、相続した不動産を売却する際には、相続税の取得費加算という制度があります。この制度を利用することにより、不動産を売却する際の所得税を軽減することができるのです。
所得税は売買価格-取得費の差額にかかる
相続税の取得費加算をご理解いただくために、まず所得税の仕組みからご説明します。
不動産の売却の際に課される所得税は含み益に対する課税です。含み益というのは、不動産の価値が膨らんだ分です。
たとえば、4000万円で買った不動産が、6000万円に値上がりしたとしましょう。
そうすると、6000万円-4000万円=2000万円
が含み益になるわけです。この含み益2000万円に一定の税率を掛けて、所得税が算出されることになります。
元々買ったときの価格のことを「取得費」といいます。上の例では4000万円が取得費になるわけです。
取得費加算 支払った相続税を取得費として算入できる
相続税の取得費加算という制度は、相続税を取得費に含めて計算できるという制度です。
たとえば、元々4000万円で買った不動産だったとして、相続税が1000万円かかったとしましょう。そうすると、最大で相続税の分の1000万円が取得費に含められるということになります。
この場合、取得費は以下のようになります。
4000万円+1000万円=5000万円
含み益は以下の通りです。
6000万円-5000万円=1000万円
すると、その含み益の減少に応じて、所得税が軽減されることになるのです。
取得費加算を受けるには期限などの条件も 他の節税方法もある!
取得費加算を受けるためには、相続税の申告後3年以内に譲渡をするなどの一定の条件を満たす必要があります。
取得費加算の利用も含めて、相続税や所得税の節税も考えた相続を行いたい方は、是非無料の電話法律相談をご利用ください。