相続を有利に進めるカギは、相続財産をどのように捉えるかです。相続が有利になる相続財産の捉え方には、特別受益と寄与分の2つがあります。それぞれのポイントを押さえましょう。
特別受益 一部だけが故人から特別に財産を受けていたときに平等な相続させるための制度
特別受益とは、複数の相続人がいるときに、そのうちの一部の相続人が特別の利益を受けていることをいいます。たとえば、子ども2人が相続人だとします。そのうちの1人は、結婚のための費用を負担してもらった場合を考えます。この結婚のための費用は特別受益です。この場合、費用を負担してもらった子どもが相続できる相続財産は特別受益の分だけ少なくなります。
しかし、実際には特別受益が認められるか微妙なケースが多いです。そこで、特別受益が争いになっている場合には、弁護士に相談されることをおすすめします。
寄与分 一部の相続人が財産形成に貢献したときにその人の相続分を増やす
特別受益の反対が寄与分です。すなわち、複数の相続人がいるときに、そのうちの一部の相続人が亡くなった方に特別の貢献をして相続財産が増えた場合に、その貢献を寄与分といいます。
たとえば、子ども2人が相続人だとします。そのうちの1人は、亡くなった親の事業を無償で手伝っていたとしましょう。しかし、もう1人は全く事業を手伝うことなかったとします。この場合、事業を手伝った子どもが相続できる相続財産は寄与分の分だけ多くなります。
寄与分も特別受益と同じように微妙な争いになります。そこで、寄与分が争いになっている場合には、弁護士に相談されることをおすすめします。