遺産分割協議は全員でする必要がある
相続の際には、遺言があれば基本的にそれによりますが、遺言がない場合は、法定相続分によるか、あるいは遺産分割協議をして相続分を決めることになります。遺産分割協議は、相続人が全員参加して全員で合意しなければなりません。
もし遺産分割協議がうまくいかなかった場合、裁判所が間に入って調整する調停という手続を踏む必要があります。ここで一つ知っておいて欲しいことが、管轄というキーワードです。
管轄 調停の申立ては相手の住んでいる地域の裁判所にしなければならない
遺産分割協議は全員でしなければなりませんから、遠隔地に相続人がいる場合は問題が起こりやすいのです。相模原であった事案では、相模原在住の相続人A、Bさんと北海道在住の相続人Cさんとが遺産分割協議をすることになったのですが、その協議をする場所で意見が一致しませんでした。AさんBさんは相模原で、Cさんは北海道で遺産分割協議を行うことをそれぞれ主張したからです。
このような場合に管轄についての知識が約に立ちます。Aさんは、Bさんを相手に遺産分割協議の調停の申立てをすれば、遺産分割協議の調停を相模原(裁判所の支部があります)で行うことができるのです。
そして、遺産分割協議は全員で行う必要がありますから、Cさんもこれに参加しなければならないことになります。このように、ちょっとした工夫で交渉を有利にできることもありますので、何か分からないことがある場合は一度弁護士に相談してみてください。