原則として故人の遺した相続財産に相続税がかかる
相続税とは、相続税法に基づいて、人の死亡を原因とした財産の移転する際に、その財産に対して課税される税金のことです。相続税には基礎控除や税額の軽減措置といった制度があります。今回は、相続における「みなし相続財産」と生命保険金について見てみます。
生命保険金は相続財産ではないが「みなし相続財産」として相続税がかかる
被相続人(故人)を被保険者として支払われた生命保険金は、本来であれば相続財産にはあたりませんが、税法において相続や遺贈において取得した財産とみなされます。これが、「みなし相続財産」です。「みなし相続財産」には、生命保険金以外にも、死亡退職金や生命保険契約に関する権利などがあります。
「みなし相続財産」である生命保険金には、相続税対策として2つの利点があります。
まず1つは、非課税枠が存在することです。この非課税枠は、法定相続人(法律で定められた相続できる人)1人につき500万円ずつ加算されていきます。しかも、この非課税枠の範囲内であれば、どの相続人がいくら受け取ったかに関わらず、課税されないのです。
もう1点は、生命保険金が現金で受け取れるという点です。相続税の納付は、原則として10カ月以内に現金一括で行わなければなりません。土地の相続が大半を占め、現金の承継がほとんど無いような場合でも、納付資金源や調整資金として、生命保険金を大いに活用することができるのです。
保険金受取人・保険料負担者次第で贈与税・所得税がかかることも
ただ、生命保険金は、保険料の負担者(支払っていた人)や保険金受取人が誰かによって、課税される税金種類が贈与税や所得税になる場合もあります。
相続における保険金活用などでお悩みの方は、ぜひ一度弁護士までご相談下さい。