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遺産分割協議を札幌でするか東京でするかで揉めた事例
Aさんは、札幌市に住んでいたのですが、成人して働き出すのをきっかけにして、東京に住んでいました。東京で結婚もして、東京で暮らしていたのですが、札幌市にいる親が高齢になったこともあり、親を東京に呼んで2世帯で暮らすことにしたのです。
その後、親が高齢のため亡くなった際に、相続が行われることになったのですが、遺産分割協議を行う場所で他の相続人ともめることになってしまいました。Aさんの他に相続人は3人おり、東京に住んでいる妹と、札幌市にいる姉、弟でした。Aさんとしては、親が東京で亡くなったのだから東京で話し合いたいのですが、札幌市の姉と弟は札幌市で話し合いたいということでした。
管轄を利用して自分に有利な場所で協議できる
ここでアドバイスさせていただいたのが、裁判所の管轄を利用する方法です。このような場合、案は東京の妹を相手に遺産分割協議の調停の申立をすることで、遺産分割協議をする場所が東京の裁判所になるのです。(妹さんとは利害の対立がないとしても、形式上の相手を妹さんとすることで、管轄を東京に持ってくることができるのです。)
裁判所なんて・・・と思うかもしれませんが、当事者同士で話しあうことでトラブルが大きくなる事例はたくさんあります。第三者的な立場から両者の意見を聞いて仲裁してくれる裁判所や弁護士が間に入った方がむしろ円満な解決ができるのです。