借地料の滞納があると貸主は敷金を充てられる
例を使って考えてみましょう。Xさんは、10年前にYさんから土地を借り、その上に家屋を建てて暮らし始めました。借地料は月10万円、敷金は100万円でした。賃借人Xさんの土地の使い方は、賃貸人Yさんにとって特に不満のあるものではありませんでした。
しかし、賃貸借契約の締結から9年を過ぎたころに、事情が変わってきました。Xさんの営む事業が、不況のためにうまく立ち行かなくなり、Xさんは事業を縮小してしまいました。これにより、Xさんの収入は減少し、借地料をYさんに払い続けることは困難になりました。
以来1年間、Xさんは、Yさんに借地料を支払うことはありませんでした。しかし、Yさんは毎月のように借地料を支払ってほしいとXさんに申し出ており、Yさんもいつまでも借地料が入ってこないようなら土地を有効活用してカラオケでもはじめようかと思っています。
このような場合は、もちろんYさんが賃貸借契約の解除を申し出てくることになります。また、敷金との関係ですが、未払いの借地料に敷金が充当されていくことになります。しかし、借主の方から充当を主張したり、解除無効にしたりすることはできません。
高額になりがちな敷金のトラブルは早めにご相談を
敷金も高額になることが多いですから、借地料と敷金返還にまつわるトラブルについては、ぜひ弁護士にご相談ください。