借家だけでなく、借地でも立ち退き料が問題になる!
土地を借りているが、地主から契約期間が満了するから、立ち退いてほしいといわれていませんか?立ち退いてもいいと思っていても、タダで又はかなり安い金額の立ち退き料で立ち退く必要はありません。そうはいっても立ち退き料がどのように決められているのか分からなければ、安いかどうか分かりません。そこで、立ち退き料の相場がいくらくらいになるのか、見てみましょう。
以下は「借地」の立ち退き料についてですが、当事務所では「借家」の立ち退き料についてもご相談を承っております。
立ち退き料の目安は土地の価格に借地権割合を掛けたもの
土地を借りていると、借主は土地を借りて使用できる権利を持つことになり、これを「借地権」といいます。単に借りているだけでなく、権利という価値のあるものを持っているということです。借地権の価値は土地の価格を基準に決められており、土地の価格に対する借地権の価値の割合を借地権割合といいます。
立ち退き料≒借地権の価値=土地の価格×借地権割合
となっています。
たとえば、5000万円の土地で、借地権割合が4割ですと、2000万円の立ち退き料が一応の目安になります。
土地の価格は不動産業者などで見積もりを取ると適正な価格が分かります。また、借地権割合は比較的簡単に調べることができ、国税局のホームページの路線価図というところから調べることができます。借地権割合はAからGまであり、それぞれ90%、80%・・・30%となっています。路線価図から自分の住んでいる近辺の地図を探し、土地が接している道路の数字を見ます。例えば「300B」と記載されていたとします。借地権割合を知るためには最後のアルファベット部分が肝心で、この場合では「B」なので、借地権割合は80%になります。
したがって、立ち退き料の相場を知るためには、「土地の価格」と「借地権割合」を調べる必要があります。
立ち退き料は営業補償・引越費用などの要因で高くなる
以上の立ち退き料の目安はあくまで目安です。ケースによっては、以下のような要因があると、立ち退き料を高くすることができます。
・その土地の上で何らかの営業を行っている場合に、引越期間中、営業ができなくなることによる営業補償
・建物の価格
・引越費用
・顧客等に移転の通知をするためにかかる費用
すべて立ち退くためには必然的にかかる費用なので、当然借主側で負担しなければならないというわけではありません。借地契約を更新できたにもかかわらず立ち退くといった場合、更新していればこのような費用はかからなかったはずなので、地主に立ち退き料として上乗せして請求できるということになります。
上の4つはあくまで一例です。「なんでこの費用を自分が支払わなければいけないのか」と思った際にはご相談ください。支払わなければならないのはおかしいとなれば、立ち退き料を相場より高くすることができるかもしれません。
立ち退き料を相場より高くするには豊富な経験とテクニックが必要
上のような立ち退き料が相場より高くなる要因がなくとも、立ち退き料を相場以上にする交渉テクニックというのもあります。
たとえば、地主がビル建設を予定していたりして、早く立ち退いてほしいと思っている場合には、早期に立ち退く代わりに立ち退き料を高くするように交渉することもできます。
逆に、立ち退き料を相場より低くされてしまう要因があるときでも、立ち退き料を高くする要因を見つけて交渉することで、最低限立ち退き料の相場くらいまでは維持することができるかもしれません。
このような交渉テクニックは、土地やその周辺の状況、借主の状況によって異なります。また、立ち退き料の交渉では地主の利害関係や思惑を見極めたうえで交渉を進める必要があります。したがって、立ち退き料がおかしいのではないかと思っている場合には、交渉経験が豊富でテクニックのある弁護士が対応いたします。