夫の両親に遺産を分けなければいけない? 遺言と法定相続分の関係を解説

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夫の両親が相続権を主張してきた事例

ここ数年で扱った事例についてご紹介させて頂くと、依頼者は滋賀県大津市在住の女性で、3人の子どもにも恵まれて幸せな家庭を築いていたのですが、ある日夫が急病で亡くなりました。その後、夫の滋賀所在の不動産を目当てに夫の両親が、自分たちにも相続権はあると言って、分け前の要求をしてきました。夫は生前に遺言はしておらず、依頼者は子どもの将来のために一銭でも多く蓄えをしておきたいと思っています。この場合、夫の両親にも、滋賀の不動産を分けなければならないのかというご相談でした。

まずは遺言があるか確認 遺言があればその通りに

ここでは、依頼者の夫が遺言をしていないという点が重要になります。相続には、法定相続と遺言相続があります。遺言相続とは、被相続人が遺言によって相続人の取り分を決めている場合です。

しかし、今回の事案のように、必ずしも遺言が作成されているとは限りません。そこで民法は法定相続という考え方をとっています。法定相続とは、遺産を民法が考える最適な分け方に従って分割することであり、そこでは相続人が規定され、各々の取り分が定められています。なお、この時の各相続人の取り分を法定相続分といいます。そして民法900条1号は、子と配偶者(夫、妻)が相続人の場合は、それぞれ2分の1ずつとしています。

遺言がなければ法律通りに 子どもがいれば親に相続権は無い

今回の事案では、遺言がないので民法の規定に従い、妻である依頼者とその子どもが相続人となって、夫の遺産の半分を妻が、残り半分を子ども3人で等分することになります。そのため、夫の両親には相続権がなく、遺産の分け前を要求してきてもこれに応える必要はありません。

なお、もし依頼者に子どもがいなければ、民法900条2号の規定によって、遺産の3分の2を依頼者が、残り3分の1を夫の両親が相続することになります。

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平間法律事務所