遺言が無いときは不動産も含めて遺産分割
相続が発生したら、被相続人の財産は相続人へと承継されます。その遺産は相続人同士で分配されることになります。ところで、遺産というのは金銭だけでなく、当然、土地や建物の所有権、その他様々な権利義務関係を受け継ぐのですが、こういったものをどのように分割するのかというものには難しい問題があります。
例えば、被相続人が遺言書に「子Aには甲土地すべてを、子Bには乙建物を、妻Xには金銭のすべてを相続させる」と書いた場合であれば、何の問題もないのです。問題は、遺言書がない場合、遺産は民法の法定相続分というルールによって分割されるのですが、金銭と不動産があるときにどうやって分割すればいいのかという点です。
不動産鑑定によって不動産をお金に換算して遺産分割する
単純な場合を考えてみましょう。親が死亡し、子どもふたりが相続人になった場合です。民法の法定相続分では、このような場合1/2ずつ遺産を相続すると書かれています。ということは、親の持っている土地が金銭的にどのくらいの価値があるのかが分かれば、相続もしやすくなるのです。この金銭評価を不動産鑑定といいます。
遺産として不動産があるというケースもよくあることですし、その多くの場合、不動産鑑定をしなければ相続がスムーズにいかないものです。不動産鑑定はかなり高度な知識を有する専門家でなければできないものです。遺産に不動産があるという場合、専門家の手を借りることも必要になってくるといえるでしょう。