相続というのは、被相続人の一切の権利義務関係を相続人が受け継ぐことをいいますが、これには様々な問題が伴います。相続人同士でもめたり、果ては裁判所で争ったり、なんていうことも増えてきています。ことに、大阪市のような大都市に至っては、これが顕著にみられます。
大阪市の相続問題 看病をした故人の妻が多くの相続分を得たかった事例
では、どのようなことが問題になるのでしょうか。こんな事例がありました。大阪市に住む父親が病死して、子ども二人と母親(被相続人の妻)が相続人になりました。遺言がありませんでしたので、大阪市内に住む母親のは子に、「相続について話し合いたいから大阪まで帰るように」と言います。ところが、二人は「わざわざ大阪市まで帰る時間がとれない。」「面倒だから民法の法定相続分通りに分けよう。」との返答でした。
実は、母親は、被相続人のために生前、看護に奔走しており、その間何もしてくれなかった子どもより多く、相続分を得たいと考えていたのです。だから、話し合いの場をもとうと思ったのですが、こういう返答でしたので困ってしまいました。
遺産分割協議をする場所を有利に 早い段階で弁護士へ相談を
母親は、あくまで大阪市ですべて済ませたいと思っているのにもかかわらず、子どもに対して調停を申し立てると、子どもの住所地にある家庭裁判所まで行かなければならなくなってしまいます。
しかし、事案によって多少事情は異なりますが、少し見方を変えることで、相手を大阪市まで来させることだって可能な場合もあるのです。このように、○○家庭裁判所で調停をしたいとか、そもそも協議をどうすればよいかとか、そういった悩みについては、やはり専門家である弁護士に相談するのが解決への一番の近道です。