相続税は財産評価・基礎控除の順に計算
相続では、被相続人(故人)が所有していた財産(財産上の権利)などを、相続人(相続できる人)が承継します。相続に際しては、それぞれの財産の種類によって定められた一定の基準や方法に従って評価します。そして、その財産評価額に応じて相続税が算出されていきます。
相続税には基礎控除があり、財産評価額がこの基礎控除額の範囲内であれば相続税の申告や納付は必要ありません。しかし、この基礎控除を超えての相続であれば、相続税の申告や納付が義務付けられます。また、配偶者の税額軽減措置などを利用する場合も、申告が必要になります。
今回は、実際に被相続人Kさんの相続が発生したとして、相続税シミュレーションを行いながら、相続税や相続手続きに関して見てみましょう。
相続手続の流れ・相続税計算をシミュレーション
被相続人であるKさんが亡くなり、同時に相続開始となりました。まず、死亡の事実を知ってから7日間以内に死亡届を出し、葬儀を行います。そして、遺言書の有無を確認し、開封手続きや検認手続を家庭裁判所において行います。
続いて、相続人を確定し、遺産の調査を行います。相続の放棄や限定承認を選択する場合は、相続開始から3ヶ月以内に手続きします。さらに、相続開始4ヶ月以内に準確定申告(被相続人の代理で確定申告)をします。
それらの手続きが完了したら、相続財産の確定や評価をして、遺産分割協議を行います。遺産分割協議は一番の山場となりますので、なかなかスムーズに進まない場合は、専門家などに相談しましょう。遺産分割協議書を作成したら、名義変更手続きを行いつつ、相続開始から10ヶ月以内に相続税の申告や納付を行います。
相続手続・相続税申告には膨大な書類が必要 不安があれば積極的に相談を
ここまで一連の流れを相続税シミュレーションで見てきましたが、実際の相続では多くの手続を要するだけでなく、必要となる添付書類も膨大です。さらに、相続財産を評価し、相続税の納付が必要かどうかを調べ、遺産分割協議を行う必要もあります。慣れない相続でトラブルや大きな負担を避けるため、ご不明な点などがありましたら弁護士までご相談下さい。